痛みとは?
当院では痛みがお悩みで通院される方が90%になるので、
こちらでは少し専門的に痛みについてご説明したいと思います。
痛みの定義
国際疼痛学会(IASP)では
「組織の実質ないし潜在的な傷害と関連した、あるいはこのような傷害と関連して述べられる不快な感覚的・情動的体験」と定義しています。
少し難しい表現なので解釈すると
痛みとは組織を痛めてしまいそれにより感覚として「痛み」を感じるということ
そして、組織自体の問題とは別に精神的な部分で「痛み」に影響してくるということがあります。
この考え方はいわゆる急性痛と慢性痛に分けられることになります。
また、急性痛と慢性痛では現在の医学では治療方針が変わってきます。
急性痛と慢性痛の違い
急性痛
急性痛は原因がはっきりしているものになります。
- ケガ、病気による痛み
- 炎症症状がある
- 組織損傷がある
- 消炎鎮痛薬が効く
痛めた組織の回復を促す治療を行うことが重要となります。
慢性痛
- 痛みが3ヶ月以上続く。
- 痛みの原因であったケガや病気が治った後も痛みが続く。
- 睡眠障害や不安感などの自律神経症状も出る場合がある。
また、痛みに対する感受性が高まります。
鍼灸院では筋・筋膜関連の痛みで来院される方が多いですが、筋肉を押すと痛む圧痛が過敏になっていることがあります。
局所的に過敏になったり押した部分とは離れた部分に痛みを感じる放散痛が出ることもあります。
現代医学では慢性痛は脊髄や脳の中枢神経の問題とも言われ痛みの出ている部分だけに着目せずに治療していくことが重要とされています。
そして痛みを悪化させてしまう部分として精神状況も重要と考えられています。
強い痛みや長期間にわたる痛みがあるとどうしてもネガティブな考え方になってしまうと思いますが、その考え方が痛みを悪化させてしまいます。
医学的には「破局的思考」と呼ばれています。
痛みの原因の分類
痛みは原因により大きく分けて3つに分類されます。
侵害受容性疼痛
侵害受容器が何らかの原因で興奮することによって生じる痛み。
急性痛から慢性痛へ移行することがあり、この侵害受容性慢性疼痛は原因は明確であるが取り除くことが難しい痛みとなります。
慢性腰痛、関節リウマチ、緊張型頭痛などがこれに含まれます。
神経障害性疼痛
神経の障害に伴う痛みを神経障害性疼痛と言います。
ケガや手術などで神経を損傷したもの、帯状疱疹により神経を損傷したものなど原因は様々になります。
心因性疼痛
明確な組織の損傷や炎症が無いにも関わらず痛みを感じることがあります。
心因的な問題以外に説明できないものを心因性疼痛と言います。
原因が明確な痛みに伴う精神症状があるものは心因性疼痛には含まれません。
痛みを改善させるにあたって鍼灸のメリット
鍼灸のメリット
①副作用がなく、薬のように合う合わないがない
②鍼灸には鎮痛作用があるため、痛み止めの薬を徐々に減らせる
③一人ひとりの症状に対して施術方針を立てるので的確な施術を行える
痛みというものは色んな要素が絡んで慢性化していき、なかなか改善しにくい状態になってしまいます。
時には原因がはっきり分からず漫然と鎮痛薬を飲んで徐々に状態を悪化させてしまうこともあります。
そこで鍼灸は低侵襲であり基本的には副作用のない施術になります。現代では研究も進んで少しずつ「鍼灸がなぜ痛みに効くのか」ということも解明されてきています。
また、鍼灸の様々な理論がある中で伝統的な鍼灸を基礎として発展した中医微創針法という理論があります。
この考え方は現代医学では改善させることが難しい慢性痛に対しても良好な結果を出しており、解剖学や生理学でも説明出来る理論となっているので再現性があるため当院でも取り入れています。
病院でははっきりとした原因を言われなかった方、整体にも行ったが改善しなかった方、本気で痛みを改善させたい方にこそ当院にご相談していただければと思います。